ハルキ・ブーム、再び。

ひっさしぶりに村上春樹を読んでる。『レキシントンの幽霊』。つくづくこの人はストイックなんだな、昔はその簡素な文体についてどんな感想を持っていたか忘れてしまったけれど、本当に難しいことをやっているんだなと今は思う。フラットに、過不足ない情報をひたすら重ね、最後に人さじ塩をまぶすように、ユーモアや比喩を付け添える。個々のパーツは簡潔でも、それらは一定のリズムに従って、全体を、大きなメタファーを立ち上げる。これを毎日、何年も続けていたんだろう。まさにマラソンランナーという感じ。その地味に健やかなパワーがそうさせるのか、読んでいると、色んな活動への欲望が刺激される。文章が書きたくなる、音楽が聴きたくなる、食事したくなる、酒が飲みたくなる、運動さえ、したくなる(なぜか性欲はわかない)。合わせて『パン屋再襲撃』とエッセイを一冊買った(衝動買いです)。中三ぶりのハルキ・ブーム。こっから楽しくなりそう。